概要
古池 謙人 (Kento Koike), 博士(工学)
所属: 東京理科大学 工学部 情報工学科 助教(赤倉研究室)
私は,人工知能,特に知能情報学や行動情報学の分野で,教育応用を対象とした研究を進める研究者です.より詳細な専門としては,Intelligent Tutoring System(ITS),すなわち高度に知的な振る舞いが可能な学習支援システムの研究開発に取り組んでいます. とりわけ,知識工学・認知科学・行動科学を基盤に,従来のITSを拡張する新しい統合的な研究アプローチを「Data-enhanced Symbolic and Cognitive Tutoring System」として位置づけ,研究を進めています.
これまでに京都大学学術情報メディアセンター(緒方研究室)や教育系企業manaboでの実務を通じ,理論研究と教育現場の双方を経験しました.現在は千葉工業大学附属研究所の共同研究員としても活動しています.
私の研究目的を一言でいえば,「人間の思考と学習を最適化するための知的学習支援システムの開発」です.その目的を実現するために特に重視しているのが,「中間表現」による橋渡しという考え方です.現在の学習システムでは,分野ごとに支援技術や思考スキルが分断されています. そこで,分野を超えて学びをつなぐ“学びの翻訳機”としての中間表現モデルを設計・実装することで,学習者や分野に応じて動的に知識や思考支援を調整できる,汎用的で適応的な学習支援を実現することを目指しています.
最終的には,一つの分野で培った思考スキルを他の分野でも自然に活かせる学習環境を構築し,AI時代にふさわしい,人間中心の豊かな学びを創出したいと考えています.